海洋生物による金属元素の特異的濃縮

オオハネモによる金属元素の高濃度蓄積


オオハネモ(Bryopsis maxima)は緑藻・アオサ藻綱・ハネモ属に属し、日本沿岸では冬から春にかけて生育します。ハネモ属は世界中に分布しますが、オオハネモは日本固有種です。オオハネモ中のBa、Ra、Re、Sr濃度はいまのところ世界最高です。



海洋生物ではCa濃度はSr濃度と比べて50倍高いのですが、ハネモ属はSrのほうが高いことがある。

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第7族元素に属すMnとReの生体中での相関は高くないが、ReとTcはほぼ一定の関係を示すようです。

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オオハネモ中のRe原子の局所構造
(Re原子の近くに炭素が配位しています)



オオハネモはアルカリ土類元素と第7族元素の質量数の多い元素を高濃縮します。たとえば、オオハネモ中のRe濃度は5.49 μg/g と、他の海藻と比べて非常に高いことが表から分かります。
海水のRe濃度は 7pg/mL 程度なのでオオハネモは780,000倍(生重量あたりでは78,000)も濃縮していることになります。なぜオオハネモは必須元素でもない?Reを高濃縮するのでしょうか。
オオハネモの体内にはReに対して非常に親和性の高い物質が存在しており、Reはその物質に単にとらえられているだけと解釈しています。
このような場合は、Reの運命はマリオネットの操り人形のように親和性物質の支配下にあると考えています(左の図参照)。現在、主要な親和性物質の特定に挑戦しています。
SrやReが海藻の生体膜を通過するときの化学形はイオン状と考えられます。取り込まれたあとの生体内運命に興味を持っています。




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